障害児の兄妹のことを「きょうだい児」と呼ぶと知ったのは、
長男に障害があることがわかって色々調べるようになってからです。
我が家の妹も、いわゆる「きょうだい児」になります。
家族の中に手のかかる障害児がいる場合、
必然的にきょうだい児にかけられる時間が減ってしまいます。
そのため、いくらきょうだい児のことを大事に思っていても
寂しい想いをさせているのではないかと親としては心配です。
妹であるみーさんが産まれる前から、きょうだい児になるみーさんへの
接し方については、どのようにしたら寂しい想いをさせずに済むか、
兄のことで負担をかけないようにできるかを考えてきました。
先輩ママに聞いたり、きょうだい児のセミナーを聞きに行ったり。
今やっていることが正解かどうかはわかりませんが、
きょうだい児であるみーさんに、「母からの大好き」が伝わるように
日頃から意識している接し方や、家庭内支援についてご紹介します。
筆者紹介
- 神奈川県横浜市在住
- 最重度知的障害&肢体不自由児の7歳長男(ぽんすけ)と、4歳長女(みーさん)を育てる母
- フォトグラファーをしながら、仕事と障害児育児のあり方を模索中
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きょうだい児のために母がしている家庭内支援
きょうだい児との時間を設ける
一日の中で少しでも、きょうだい児だけとの時間を作るようにしています。
その時は、いくら長男がぐずぐず寄ってきたとしても、
「今はみーさんとの時間だからちょっと待ってて」と伝えます。
長男はそんなことを言われてもわからずぐずぐずし続けますが、
この時ばかりは断固として無視します。
また、週に2回は訪問看護師さんやヘルパーさんに来て頂いているので、
その間は長男のことは完全にお任せをして、
長女と二人でゆっくり夜ご飯を食べたりお風呂に入ったりしています。
たまには長時間バージョンも↓
長男のお世話を頼まない
長女本人がやりたがった時以外には、
長男のお世話はお願いしないようにしています。
長男は、食事や着替え、排泄などほぼ全てにおいて介助が必要です。
夕方の忙しい時間は猫の手も借りたくなり、
ついついどんどん成長していく長女にお願いしてしまいそうになります。
しかしながら、それを長女にさせてしまったら
兄のお世話(介助)を義務だと思い、将来的に兄の面倒は
私が見るのだろうかと不安にさせてしまいそうです。
また、実際介助のお手伝いをしてもらいすぎて、
障害のある兄妹のことが嫌いになってしまったという
きょうだい児の話も聞いたことがあります。
将来のことで不安にさせたくないですし、兄のことを嫌いになって欲しくもありません。
赤ちゃんやお人形さんのお世話がしたいお年頃の長女が
「みーがやりたい!」と言い出した時だけ、存分にやってもらっています。
ただ、「ちょっとオムツ取って」や「お水取って!」は、
時々お願いしてしまっています。
それは通常の兄弟でもあると思うので、自分の中でセーフとしています!
「片付けなかったあなたが悪い」は言わない
長男は最重度の知的障害があり、
物を投げたり口に入れたり、絵本を破いたりしてしまいます。
長女の大事にしているおもちゃも、
長男が口に入れてよだれでベチャベチャにしてしまうこともしばしば。
そんな時、「出しておいたほうが悪い」という言い方はしないようにしています。
悪いのは明らかに長男ですし、
家の中は長女にとっても安心して過ごせる場所にしてあげたいと思っています。
絵本を破いてしまうためにした対策はこちら↓
遊ぶ場所を物理的に分ける
現在4歳になる長女ですが、
3歳頃までは長男と長女が交わると常に事件が勃発していました。
長男が長女のおもちゃを投げる
→長女みーさんが泣いて怒る(叩く)。
→長男ぽんすけが号泣&癇癪で暴れる。
ひたすらこの繰り返し。「混ぜるな危険」状態です。
文字にしてしまうとあっさりですが、当時は本当に悩んでいました。
どうしたら良いかわからず各方面へ相談したところ、
物理的に過ごす場所を分けるのがいいのではというアドバイスを頂きました。
実践してみたところ、そのおかげでだいぶ事件が起こる頻度が減りました。
現在、当時に比べると多少は落ち着いたものの、まだまだ「混ぜるな危険」です。
ゆるく分けてお互いが快適に過ごせるようにしています。
妹なので、お姉ちゃんのように接しない
以前、きょうだい児の話で、
「自分は妹なのにお姉ちゃんのように扱われて嫌だった」という内容を
聞いたことがありました。
成長面ではあっという間に妹が追い抜き、すっかり逆転していることは確かです。
しかし、みーさんは永遠の妹であることを忘れないように
お姉ちゃん扱いはしないように気をつけています。
全力で褒める
長男はあまりにも成長がゆっくりだったので、
何か一つでもできるようになった時には、
こちらも嬉しくて飛び上がって褒めてきました。
長女は定型発達で、できるのが当たり前になりがちです。
そのことに慣れないように、長女のハイスピードの成長を見逃さず
長男と同じテンションで、全力で喜び褒めるようにしています!
産まれてきてくれてありがとう、と伝える
夜寝る前には、「産まれてきてくれてありがとう」と言葉で伝えるようにしています。
存在そのものが尊いということを
態度だけではなく言葉で示すことを心がけています。
沢山ハグをする
肢体不自由児である長男は、抱きかかえる動作が必要なので、
物理的に体の接触が多いです。
そのため、長女はそれ以上にぎゅーっとして、
寂しい気持ちにさせないように気をつけています。
思い立った時には、道端でもどこでも「ぎゅーして良い?」と立ち止まって
ハグしています。
きょうだい児支援団体について
きょうだい児支援の団体は、年々増えているようです。
一度講演会を聞いたことのあるしぶたねさんは、
日本でその先駆けとなったNPO法人。
ご本人もきょうだい児で、講演会ではその優しい語り口に聞き入ってしまいました。
親には気付けなかったことばかり。
「障害児の親」の気持ちは私にもわかりますが、
「きょうだい児」にはなったことがないため、
いくら気にかけていてもわからない部分もあると思います。
長女がもう少し大きくなり本人の希望があれば、
こういったきょうだい児の集まる会へ一緒に参加するのも良いかなと
思っています。
\しぶたねさんの活動により「きょうだいの日」が制定されています/
また、障害のある長男のお友達家族との集まりは、
みーさんと他の家族のきょうだい児が会える場でもあるため大事にしています。
まとめ
長女には、「兄に障害があるせいで」と、色々なことを背負うことなく
子どもらしく育って欲しいと願っています。
そのためには、
・存在自体が尊いということを日頃から言葉と態度で表すこと。
・親が担うべき役割を、きょうだい児に与えないこと。
現状は、これが大事なのかなと思っています。
実際には、私もいつもいつも機嫌良くいられるわけはなく
これらのことができずに申し訳なくなることもあります。
しかし、一つずつ、できる時にできるだけ。
きっと、気持ちは伝わると信じています。
どなたかの参考になれば嬉しいです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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