【必要な支援を受けるための方法】「大丈夫?」と聞かれたら言うこと

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重度の障害児である長男を育て始めて7年。

まだまだ未熟者ではあるのですが、教訓にしていることが一つ。

それは、大丈夫?」と聞かれたら「大丈夫じゃない!」としっかり伝えて

必要な支援を受ける機会を失わないようにしようということです。

そう思うに至った経緯や体験談を詳しくご紹介します。

筆者紹介

  • 神奈川県横浜市在住
  • 最重度知的障害&肢体不自由児の7歳長男(ぽんすけ)と、4歳長女(みーさん)を育てる母
  • フリーランスでカメラマンをしながら、仕事と障害児育児のあり方を模索中

このブログが目指していることや、詳しいプロフィールはこちら

目次

「大丈夫」と言い続けた結果起きてしまったこと

大丈夫と言ってしまう心理

障害児を育てていると、わりと頻繁に各方面から「お母さん、大丈夫ですか?

と聞かれる機会があります。

療育センター、区役所、支援センター、リハビリ関係などなど。

ぽんすけが5歳くらいの時まで、

日常的に相談に乗ってもらっているような先生以外には、

「大丈夫ですか?」と聞かれると、反射的に「大丈夫です!」

元気よく即答していました。

本当に大丈夫な時はいいのですが、

大丈夫じゃない時でも、なかなかパッと聞かれて「大丈夫じゃない」とは

言いにくいものです。

理由としては色々あるのですが、私の場合はざっとこんな感じ。

・そんなに短い時間で話したところでどうにもならないと思っていた。

(↑ひどい)

・弱音を吐いているだけ、ただの愚痴、ただの甘えのような気がして言えなかった。

(↑見栄?)

・大変ではあるけれど頑張ればなんとかなる範囲。

(↑頑張るしかないと思っていた)

・自分よりもっと大変な人は沢山いると思っていた。これは今も。

(↑弱音や愚痴、甘えになると思ってしまうのと共通心理かも)

・久しぶりに連絡をくれた人(支援者)だと嬉しくてテンションが上がり

元気な感じになってしまう。

(↑番外編)

大丈夫だと言い続けた結果

大丈夫だと言い続けた結果どうなったかというと、

必要な支援が受けられない打ち切られるという最悪の事態が次々と発生しました。

いくつかの例をご紹介します。

必要な支援が受けられなかった&打ち切られた話

その1:リハビリを受ける機会の消失

ものすごくちょっとしたことは、とにかく頻繁にありました。その一例です。

療育センターの通園がコロナで休園してしまった時、

同時にリハビリも2ヶ月以上受けられなくなってしまいました。

途中、理学療法士の先生から「ぽんすけくんの様子はどうですか?大丈夫ですか?」

と連絡が。

その時、長らくリハビリを受けられず成長発達も止まった状態で不安はあったものの、

いつもの調子で「元気にしています。大丈夫です!」と答えてしまいました。

すると、それに対する先生からの反応は、

「それなら良かった!不安な子には一度リハビリを受けに来てもらおうと思っていたんです。」と。

今更、不安ですとは言い出せず・・。

後日、療育センターの通園で同じクラスの、とっても上手に大丈夫じゃないと言えるママ

その期間にもしっかり我が子にリハビリを受けさせることができていたことを知るのでした。

その2:訪問看護の打ち切り

こちらは打撃がかなり大きかったです。

ぽんすけが4歳の時から訪問看護師さんに来てもらい、週2回程入浴介助をお願いしていました。

(訪問でぽんすけをお風呂に入れてもらえます。大変ありがたい制度なので

また改めて記事にしたいと思います。)

産まれたばかりのみーさんと、ぽんすけをお風呂に入れるのは本当に大変。

やっと見つけた訪問看護の事業所だったので、大変ありがたく利用させて頂いていました。

ただ、利用者が増えてきたという理由で、当初週3回だった訪問が、途中で2回に。

更にリハビリ入院に行く旨を伝えた時に、

それであれば戻ってきた時には週2回1回にしてもらえないかとお願いされました。

少し困るなと思いながらも、医療的ケアの必要な重度の子が増えてしまったとのこと。

それを言われてしまうと、ぽんすけは健康体だし仕方ないと納得し、承諾しました。

そこまではまだ良かったのですが、事件はぽんすけのリハビリ入院中に起こりました。

ぽんすけの退院日が決まったら次の訪問日を決めましょうと言われていたため、

決まった段階で訪問看護の事業所に電話をしました。

お久しぶりだったので、世間話から始まります。

看護師さん「お元気ですか?」

私「とっても元気です〜!」

看護師さん「ぽんすけくんの様子はどうですか?」

私「だいぶ介助で歩けるようになったし、これからとっても楽になると思います〜。わーい。」

看護師さん「それは良かった!・・実は今日はご相談があって。」

こんな流れから始まりました。この後言われた内容はこんな感じです。

  • ぽんすけくんよりも医療的ケアのある重度の子から希望があり、そちらの訪問に行ってあげたい。
  • 申し訳ないけれど週1回の訪問という話だったが、無しにしてほしい

せっかく繋がることができた訪問看護の事業所。

医療的ケアの無いぽんすけは、ここを見つけるまでにもかなり苦労したので、

切られては困ると思い私も食い下がります。

なんとか週1だけでも来てもらえないかとお願いしたのですがやはり難しく

最終的には、

「ぽんすけくんは看護師ではなくても、ヘルパーさんでも大丈夫ですよね

ヘルパーさんを探してみたらどうでしょう他の子達は私たちは看護師じゃないとダメなんです。」

というようなことを言われ、

止む無くこちらの事業所との関係は、終了することになりました。

週2回から1回になるのと、週1回が0になるのとは雲泥の差

頼りにしていたところから切られるというのは、本当にショックが大きく、

急に、あとは一人でやってくださいと突き放されたような気分になりました。

いや、本当に支援を打ち切られた事実に打ちのめされ、

電話を切った後に悲しくて悔しくて、リハビリ入院中の病院で

目の前にいるぽんすけを見ながら泣いてしまいました。

そして、泣きながら同室のママ(会って2日目くらい)に、これからどうしようと

泣きつく始末。・・とても困ったことでしょう。

その時は仕方のないことだと思っていましたが、

後からお世話になっている先生や、

現在来ていただいている訪問看護の事業所の方に話すと、

やはり既存の契約者を切るというのはおかしいと言って頂いています。

しかしながら、私があまりにもあっけらかんと全然大丈夫だと言っていたために

起きてしまった事態だったと、反省する面もあります。

一人でも大丈夫だと思われてしまったこの一件は、

私の中で今でも大事な教訓になっています。

「大丈夫じゃない」と素直に伝え始めた結果

新たに来てくれる訪問看護の事業所が見つかった

突然の打ち切りのショックから立ち直れず、

しばらくは両親の手を借りたりしながら頑張っていたのですが、

どんどんぽんすけの体が大きくなり、お風呂がやはり負担に。

周りに、どうしよう、大変だ、大丈夫じゃなくなってきたと伝え続けていたところ、

療育センターの通園の同じクラスのママから

訪問看護の事業所を紹介してもらうことができました。

とっても良い事業所で、現在は週1〜3回、入浴と食事の介助にきてもらっており、

大変助かっています。

同じ境遇のママ友が沢山できた療育センターの通園についてはこちら↓

自分が知らない支援情報を得られるようになった

困っています、と素直に言えられるようになってから

こんな支援制度もありますよと、自分が知らないことを教えてもらえる機会が増えました。

その時には利用できない情報だったとしても、いつか役に立つかもしれません。

いざという時に知っているかどうかはとても重要。ありがたいです。

手を貸してくれる人が増えた

とにかく一人で頑張らなくちゃと思っていた時に比べて、

助けてもらえる機会が増え、おかげで以前よりも気分的に楽に過ごせています。

また、ぽんすけの将来のためにも、

手を貸してくれる人や関わってくれる人は多ければ多いほど良いと思っています。

おわりに

今回は、「大丈夫じゃない」と素直に伝えてみようというお話でした。

なにも、やみくもに愚痴を言うことをお勧めしているわけではありません。

(もちろん、友人や信頼している人、Twitterなどに愚痴を呟くのは大賛成です。発散が必要です。)

それとは別に、自分のことを気にかけてくれる人に対して

元気なフリをするのはやめて(本当に元気な時はいいですが!)、

ちょっとしたことでも助けを求めてみる。

そうすることで物理的な支援が受けやすくなるという話です。

ただでさえ大変な障害児育児。

自分一人で抱え込まずできるだけ多くの人の手を借りることが、

これからの長い道のりを少しでも楽にする唯一の方法だと思っています。

恐らく重めの障害を持つお子さんを育てている親全員が抱えているであろう、

将来自分がいなくなった時に、我が子はどうなるんだろうという不安。

定期的に突如として大きな不安に襲われ、暗い気持ちになります。

そして自分自身がもっと年齢を重ねれば、

その気持ちは大きくなるばかりなのだろうと想像しています。

もちろん、親亡き後への不安がなくなるということは無いのでしょうし、

そのことについては、私自身もこれからもっと勉強が必要です。

しかし、親亡き後に支援してくれる人、支援してくれる場所が

多いに越したことはないと考えています。

そのためにも、今まで障害児を育てる家族だけにかかっていた負担を、

まずは誰かに知ってもらうこと

その時すぐに支援に繋がらなかったとしても、

支援してくれる側の気付きになり、将来障害児そして障害者を取り巻く

環境改善に繋がるかもしれません。

3年前、最初の訪問看護を打ち切られてしまった時のような失敗を繰り返さないために、

これからも素直に人の助けを借りながら過ごしていきたいと思っています。

そして支援してくださる方への感謝の気持ちを忘れないように。

なんだかんだと書きましたが、それが一番大切だと思っております。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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