長男は、小さい頃から周期性嘔吐症やアセトン血性嘔吐症(自家中毒)
と言われる持病があり、年に1回程入院が必要な事態に陥ります。
我が子がかかるまで知らなかった周期性嘔吐症について、
発症した時の様子や、
実際に行なっている対策&備えなどを詳しくご紹介します。
筆者紹介
- 神奈川県横浜市在住
- 最重度知的障害&肢体不自由児の7歳長男(ぽんすけ)と、4歳長女(みーさん)を育てる母
- フリーランスでカメラマンをしながら、仕事と障害児育児のあり方を模索中
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周期性嘔吐症(自家中毒)とは?
数時間、もしくは数日間、繰り返し激しい嘔吐を繰り返す病気。
2~10歳くらいの子どもに多く見られ、思春期になると自然に治ることが多い。
精神的ストレスや緊張、感染症、疲労によって食事の摂取量が落ちたことで、
体に蓄えた栄養分を使い果たしてしまうことが発症の主な原因。
体脂肪の分解によって血液中にアセトン(ケトン体)が増え過ぎることで
さまざまな症状が生じる。
(ドクターズ・ファイルから引用させて頂きました。とてもわかりやすいです。)
周期性嘔吐症を発症したのは3歳の時
初めて発症した時のこと
それは3歳2ヶ月の時。
まず発熱があり、食事を摂らなくなりました。
しかし、水分も摂れていましたし、ただの風邪かなと思い日中は様子を見ます。
その後、夜になり嘔吐がありました。
それでも様子を見ようとしたのですが、その後何度も吐き出し、
悲鳴のような声をあげて苦しそうに泣いてます。
これはまずいと、24時間やっている小児科へ電話をして急いで車で向かいました。
向かっている車の中でも吐き続けてしまいます。
その間、嘔吐物はどんどん茶色くなっていきました。
小児科に到着すると、
「すぐに点滴をしたほうが良いから、そのまま入院できる病院を探します。」
というようなことを言われました。
言われるがまま、紹介してもらった大きな病院へ。
大きな病院での検査の結果、RSウィルスに感染していることがわかりました。
しかしそれは嘔吐の直接の原因ではなく、
担当医より「自家中毒(周期性嘔吐症)ではないか」と言われました。
この病院でも診察中何度も吐き、嘔吐物の色は茶色と深い緑色になっていました。
※嘔吐物が茶色になっているのは、血が混じっているということ。
そして緑色になるのは吐くものが無くなり胆汁が出ている状態だそう。
本人は相当辛いだろうと言われました。
6日間の入院
そのまま入院。点滴をして糖と水分を補給し、
気持ち悪さの原因である代謝物(ケトン体)を尿から出して回復を待ちます。
それでも本人はしばらく気持ち悪かったようで、翌日までうなされていました。
回復して起き上がれるくらいになってからも、なかなか口から食事を摂れるようにならず、
入院が長引いてしまいました。
ぽんすけと周期性嘔吐症
原因
ぽんすけの場合、疲れやストレス、風邪等によって食事の摂取量が
減ってしまった時によく起こります。
体調が悪い時、ぽんすけは食事を摂らず拒否するようになります。
食欲が無いので当たり前です。
もしも言葉が通じれば「これを食べたら元気になるよ」とか、
「無理してでも食べたほうがいいんだよ」などと言って食べさせることが
できるかもしれません。
しかしそれが通じないので、食欲が無い&気持ち悪い時には
食事をあげようとしても一切拒否になってしまうのです。
大人であれば、一食抜くくらいどうってことないのでしょうが、
もともと身体が細く筋肉量も少ないぽんすけ。
体の蓄えが少ないため、急激に悪化しやすいようです。
気持ち悪くなる仕組み
大事なエネルギー源である糖ですが、
糖には数時間分の蓄えしかありません。
食事を摂らずに糖が足りなくなると、脂肪を分解して体の蓄えを使用していきます。
体の蓄えを使用(脂肪を分解)する際、ケトン体という代謝物が出るそう。
ケトン体が多くなると、いわゆる二日酔い状態になり吐き続けてしまいます。
更には、その体の蓄え(予備燃料)もなくなると、最終的に低血糖に。
低血糖は脳にダメージを与えてしまうため早急に治療が必要です。
治療法
吐き続けることで体内のケトン体が多くなってしまったら、
点滴をしてブドウ糖と水分を入れ、ケトン体を尿から出します。
そうすることで、二日酔い状態から脱出できるそう。
気持ち悪さが無くなり本人も楽になったところで、食事を再開して完全回復へ。
という流れになります。
恐いところ
とにかく突然なんです。
疲労やストレス、感染などが誘因となり、少し食事の量が足りないと
突然吐き出します。
そして吐いたな、と思うとみるみる顔が白くなり、ぐったりしていきます。
周期性嘔吐症への対策と備え
食事を抜かないように気をつける
ぽんすけの場合ですが、とにかく食事をしっかり摂る。
それが一番の予防策です。
以前、少し風邪気味だった日に、元気そうに遊んでいたのですが夜ご飯を拒否。
元気だったので油断して、まあいいかと夜ご飯を抜いてしまったところ
翌日朝起きてすぐに吐き出してしまい、顔面蒼白。
そのまま入院になったことがありました。
拒否する時の食事はとっても難しいのですが、何かしら無理にでも
口に入れて食べさせた方が良のだなと学びました。
疲れていそうな時は早めに寝かせる
こちらも事前の予防策になりますが、
この周期性嘔吐症はストレスや疲労による体調不良が引き金になることが多いです。
そのため、本人に疲れが見える時は、いつもより早めに寝かせるよう
気をつけています。そうは言っても、必ず早く寝かせられる訳ではないですが・・。
便利なブドウ糖補給食を使う
食事を食べてくれない時はいつも、
まずは糖分を補給しようとりんごジュースやポカリスエットを
飲ませようとするのですが、うまくいかないことが多く悩んでいました。
そんな時に、こども医療センターの先生から教えてもらったのが、
このグルコレスキュー(ブドウ糖補給食)です。
ゼリー状になっていて、口に入れるとすぐに吸収。糖を摂取させることができます。
どうしてもの時には、ぽんすけを羽交い締めにして口に流し込んでいます。(汗)
少々手荒な感じになってしまうのですが、
このグルコレスキューのおかげでぽんすけは何度も入院を免れています。
糖が補給されれば、ケトン体が出て気持ち悪くなってしまうのを
とりあえず防ぐことができ、その後の食事に繋がります。
嘔吐があったら吐き気どめの下剤を使う
嘔吐が始まってしまったら、自宅に常備してある吐き気どめの下剤を使用します。
それで落ち着くこともあれば、全く効かずに吐き続けることもあります。
吐き続けてしまった場合には、次の対応が必要になります。
それでも吐き出してしまった時の対応
あくまでもぽんすけの場合の対応です。ご参考までに。
以下のどちらかに当てはまるようなら、病院へ連絡をして点滴をしてもらっています。
(ぽんすけの場合には、点滴のできない小児科に行っても回復が見込めないことが
わかっているため、点滴と入院が可能な大きな病院に直接連絡をしています。)
顔色が白く、ぐったりしている
この状態になると危険な状態です。
ぽんすけの場合、こうなると自力でご飯を食べて回復することは不可能。
すぐに点滴をする必要があります。
脱水症状が出ている
典型的な下記のような脱水の症状が出たら、早めに病院へ行きます。
- おしっこが出ていない
- 唇が乾燥してカピカピになっている
- 爪を押した時に白くなったまますぐに戻らない
まとめ
最初に周期性嘔吐症(自家中毒)になってしまった時は、本当に焦りました。
吐いても吐いてもどんどん出てしまうし、なにより本人が苦しそう・・。
嘔吐物の処理をしながら、苦しんでいる我が子を見ておろおろすることしか
できませんでした。
現在7歳になり身体がだいぶ大きくなってきたぽんすけ。
最近入院したのは7歳になったばかりの時ですが、入院期間は2日間のみ。
回復がだいぶ早くなっていると感じています。
また、ちょうどつい先日にも吐き続けることがありましたが、
拒否していたご飯を何度もめげずにあげていたら、
大好きな鮭フレークご飯を食べ始めて、自力で復活。入院せずに済みました。
いつ再び起こるかわからず不安ではありますが、
体力がつき確実に良くなっていると感じています。
また、親側も今までの経験から病院に行くべきかの判断基準ができているので、
以前のようにおろおろするだけ、ということも無くなりました。
もう少し本人の体力がつき、いつか症状が出なくなることを願っています。
最後までお読み頂きありがとうございました。
どなたかの参考になれば嬉しいです。
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