最重度知的障害の7歳長男が自分でご飯を食べられるようになるまで!

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最重度の知的障害のある長男は、身の回りのことはほぼ全てにおいて介助が必要です。

食事も、7歳になるまで全て介助でした。

しかし7歳2ヶ月の時、突如自分で食べられるように

まだまだ完全に一人で食べることはできずサポートが必要ではありますが、

それでも自分で食べ始めたことは奇跡のようです。

今までの経過や、自分で食べられるようになるまでにやってきたこと

そして療育センターの先生に教えて頂き現在使用している食器や食具(スプーン、フォーク)まで、

詳しくご紹介します。

筆者紹介

  • 神奈川県横浜市在住
  • 最重度知的障害&肢体不自由児の7歳長男(ぽんすけ)と、4歳長女(みーさん)を育てる母
  • フォトグラファーをしながら、仕事と障害児育児のあり方を模索中

このブログが目指していることや、詳しいプロフィールはこちら

目次

ぽんすけの食事介助歴(ざっくり解説)

赤ちゃん期

離乳食は通常通り7ヶ月頃スタート。

食べるスピードはかなりゆっくりでしたが、口に入れてあげれば

しっかり食べていました。

2歳頃

周りの同じ月齢の子どもたちがすっかり一人で食べられるようになる中、

ぽんすけは介助が続きます。

早く自分で食べられるようになって欲しいと思っていましたが、

療育センターのリハビリでお座りが安定したら食事の練習スタートだねと

言われていました。

お座りが安定した2歳前頃から練習を試みていましたが、全く進まず・・。

ぽんすけの成長の経過についてはこちら↓

4歳頃

介助側が食材をスプーンですくってお皿のふちに置いておくと、

そのスプーンを持って口に運ぶというところまでできるようになっていました。

しかしそれを連続した動作で行うことが難しく、

一回口に入れるとスプーンを離して投げてしまったりしていました。

そんな状態が3年程続きます。

7歳

7歳2ヶ月になったある日、

夫が食事の介助をしてくれている時に突然、「ぽんすけ自分で食べてる!」と。

まさかーと思いながら見てみると、本当に自分でスプーンを使いすくって食べ、

そのままスプーンを離すことなくまたご飯をすくい自分の口へ。

それを見た時の衝撃といったら、すごいものでした。

(ここまで5年かかっているので・・)

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初めて自分で食べ始めた時の写真!上手にお豆腐をすくう瞬間。

現在は、スプーンですくいやすいお皿(エジソンのあつまるボウル そら)を

ぽんすけの目の前に二つ置き、そこに少量ずつご飯やおかずを入れてあげると、

自分で食べてくれます。

量が多いとすくうのが難しいようで、まだまだサポートが必要。

完全に一人で食べられるようになるまでには、もう少し時間がかかりそうです。

食べこぼしがひどいので、こんな工夫をしています↓

自分で食べられるようになるために必要だったこと

5年以上、ぽんすけが自分で食べられるようになるために、

本当に色々な先生方のお話を聞き、アドバイスを頂いてきました。

その中でわかったことは、成長発達は、全てが繋がっているということ

自分で食事を食べれるようにしたいからといって、

食事の練習だけすれば良いわけではありませんでした

例えば、ぽんすけの場合は手の感覚過敏がひどく、物を触ること自体が苦手でした。

(そのため、手づかみ食べや、スプーンを持つことができませんでした。)

その感覚過敏を和らげるために必要なことは、

食事の練習ではなく、色々な物に触らせてあげて経験を増やすこと

地道に経験を増やし、まずは食べ物やスプーンに触れるようにしてあげることが

必要なのです。

そしてその次は、スプーンを持ち続けるだけの握力をつけることでした。

長い道のりです・・(遠い目)

困り事と、解決のためにやってきたこと

手づかみ食べをしない&スプーンを持たない

▼解決のための取り組み

前述したように、ぽんすけは手の感覚過敏があり、食材を触ることが苦手でした。

食べ物もスプーンも触ろうとせず、食事の練習以前の問題です。

2歳からOT (作業療法士)の先生に見ていただいたため、

その中で、色々なものに触る経験を積むということを教えてもらいました。

リハビリ中には、紙や小豆、ボールなどに触らせてもらい、

家庭の中では、炊く前のお米や、ボディソープの泡、公園では砂や草花、芝生などなど。

そして、3歳から通いはじめた療育センターの通園(幼稚園のようなところ)で

大きく成長します。

そこでは、粘土、クレヨン、絵の具、寒天、小麦粉、スライムなど、

ありとあらゆるものを触るプログラムを体験させて頂きました

家庭ではできないことばかりだったので、本当に感謝しています。

おかげで、手の感覚過敏はだいぶ和らぎ、その過程で多くのものを触れるようになっていきました。

スプーンを握っていられない

▼解決のための取り組み

触る訓練によってスプーンを持てるようになったぽんすけですが、

握力が異様に弱く、軽いものでも「物を持ち続ける」ということが苦手でした。

そこでやったのは、ハイハイを沢山させること。

当時歩けなかったぽんすけは、お尻でずりずりと移動をするいざりと言われる

方法で動くことが多かったです。(これは本人が楽なため。)

しかし握力をつけるには手を使うハイハイで移動するのが良い!とのことで、

4歳から通っていた保育園ではひたすらハイハイをさせてもらっていました。

そのおかげで、だいぶ握力や筋力がつき、ものを持ち続けることが

できるようになってきました。

一回ごとにスプーンを置いてしまう、投げてしまう

▼解決のための取り組み

この期間が、約3年程続きました。

ぽんすけは手を握られることがあまり好きではなかったので

スプーンの端に手を添えて介助

こうやってスプーンを持ち続けて食べるんだよ、ということを地道に

教えてあげていました。

現在の課題

なんとなく自分で食べられるようになったぽんすけですが、

まだまだ課題が山積みです。

こぼす量が多い

すくう時にまだ手をうまく返せずにこぼしてしまうことが多いです。

こちらは回数を重ねて練習あるのみです。

早食い&丸のみになってしまう

ご飯を食べることが大好きなぽんすけ。

焦って沢山すくって早食いになってしまう上に、しっかり噛まずに飲み込んでしまいます。

今はお皿に入れる量を調節して少しずつ出すようにしています。

また、合間にお箸で根菜などを奥歯に入れてあげることで咀嚼を促しています。

口が開きっぱなしになってしまう

前述した通り、自分で食べるとかなりの早食いになってしまい、

その際、口がほぼ開いたままになります。

口をしっかり閉じる練習として、

合間に介助に入り、介助側がゆっくりスプーンを口に入れてあげます。

そして上唇が閉じるのを待ってゆっくりスプーンを引くということを

毎食やっています。

食事の練習に適した食器と食具

現在ぽんすけが実際に使用している食器とスプーンやフォークです。

療育センターの先生に教えて頂いたオススメのもので、とっても使いやすいです。

エジソン あつまるボウル そら

当初は無印良品で購入した大人の食器と同じものを利用していました。

そちらを使っても食べることができたのですが、

このお皿に変えてから更に食べやすくなった様子。

「自分で食べる」が一気に進みました。壁が高いので、すくいやすいようです。

エジソンから、こちらのお皿がリニューアルされたものも発売されています。

最初はそちらを購入してみたのですが、

壁が低すぎてぽんすけの場合にはご飯が全部飛び出てしまいました。

この「あつまるボウルそら」に変えたところ、とても食べやすそうにしています。

エジソンのスプーンとフォーク

スプーンの面が平らで口をしっかり閉じる練習になると療育センターでオススメされました。

確かに、他のスプーンよりしっかり口を閉じることができて食べやすそう。

長男だけでなく長女にも使用しています。

まだ口が小さかった頃は、上のものよりワンサイズ小さなこちらを

使用していました。

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まとめ

障害や発達の状況によってそれぞれのお子さんで違うと思いますが、

辿っていく経過は似ているものがあると思います。

ぽんすけは今、

赤ちゃんから辿る過程の中で、1歳くらいを通過中

とっても長い道のりです。

障害のある子たちはよく、階段状に成長していくと言われます。

なかなか成長しない時期がしばらく続き、突然、ぽんと一段上がる

変化の無い期間は、ものすごく遠回りをしているような気持ちになります。

そして、先生方のお話を聞きながら

この先の道のりを考えると気が遠くなりくらくらすることも。

食事に関しても、次から次へと課題が出てきますし、毎日毎日ご飯は散乱。

正直、もう無理だと思うこともしばしばあります。

しかし、今回のような大きな成長が訪れてくれると、その苦労が報われます。

今は一つ一つ積み重ねていくしかありません。

伸び代は無限大そしてその成長と比例して、私自身の負担が軽減される。はず。

そう言い聞かせて、頑張る日々です。

食事については、他にも環境の変化で食事を拒否するようになってしまったり、

食感での偏食があったりと色々と苦労してきました。

最後までお読み頂きありがとうございました。

どなたかの参考になれば幸いです。

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