この記事が誰かの役に立つのかわかりませんが、
小さな頃からとても困ってきたので書かせて頂きます。
長男には、重い知的障害があります。
医療的ケアや麻痺はないにも関わらず
重度の知的障害に伴い身体の発達がとても遅いのです。
\7歳時点の発達状況はこちら/
重い知的障害と肢体不自由の重複障害のある子は、
行政上、重症心身障害児(重心)と呼ばれています。
長男は、この重症心身障害児(以下、重心)という位置付けではあるのですが、
寝たきりというわけではなく、動くことができます。
よく、「動ける重心」などと呼ばれたりします。
この「動ける重心」は少数派で、
行政上も、過ごしの場でもはじかれてしまうことが多いのです。
「動ける重心児の、しっくりくる行き場が無い。」
これは長男が産まれてから8年間、ずっと感じてきたことでした。
これから先、動ける重心の子たちの行き場が確保されていったり、
そんな子同士で繋がれる場所があるといいな、という気持ちで
この記事を書いています。
筆者紹介
- 神奈川県横浜市在住
- 最重度知的障害&肢体不自由児の8歳長男(ぽんすけ)と、4歳長女(みーさん)を育てる母
- フリーカメラマンをしながら、仕事と障害児育児のあり方を模索中
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重症心身障害児とは?
そもそも、重症心身障害児という定義は、医学的な名称ではありません。
行政上の呼び方で、その基準も曖昧です。
【重症心身障害児(者)とは】
重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態を重症心身障害といい、
その状態にある子どもを重症心身障害児といいます。
さらに成人した重症心身障害児を含めて重症心身障害児(者)と呼ぶことに定めています。
これは、医学的診断名ではありません。
児童福祉での行政上の措置を行うための定義(呼び方)です。社会福祉法人 全国重症心身障害児(者)を守る会より
その判定基準は、国は明確に示していませんが、
現在では、大島の分類という方法により判定するのが一般的です。
重症心身障害児(者)の数は、日本ではおよそ43,000人いると推定されています。
世間が想像する「障害児」とは
長男のぽんすけは、動ける重症心身障害児です。
重度の知的障害と肢体不自由の重複障害なのですが、
寝たきりというわけではありません。
「障害児」と聞くと、世間ではこんな子達を想像するのではないでしょうか。
世間の障害児のイメージ(?)
知的障害児:発達障害(自閉症スペクトラム等)、知的障害で、元気に走り回る子。
身体障害児:車椅子に乗っていて、お喋りできたりする子。
医療的ケア児:寝たきりで日常的なケアが必要な子。
長男は、どれにも当てはまりません。
どんな施設に行っても、同じような子はなかなか見つからないのです。
動ける重心の困りごと
【1】ぴったりの発達状況で参加できる場がない
長男に「障害がある」とわかった時、
情報が欲しい、何か障害児の集まりに参加したいと思い
色々な場所へ出向きました。
その中でも長く通ったのがこの二箇所。
①発達障害の子の会
「発達がゆっくりな子のための会」を見つけてすぐに入会。
しかしぽんすけは、発達がゆっくりすぎました!!!
そこは発達障害児の集まる会で、
言葉が遅い、座っていられない等
主に知的面で発達がゆっくりな子達が多かったです。
活動はほとんど体を動かす運動系。
当時ぽんすけはお座りができるようになったばかり。
立ち上がることができなかったので、活動へ参加するには全介助が必要でした。
ボランティアさんには大変な思いをさせてしまったと思います。
もちろん、得られたものは本当にたくさん!
母と離れて過ごすことができるようになったり、
たくさんの大人に可愛がってもらえたり。
しかし本人にとって、
活動内容や居場所としてぴったりというわけではなかったと思います。
②重症心身障害児の会
次に参加したのは重症心身障害児の会で、現在も通っています。
ほとんどのお子さんが寝たきりです。
入会当時、ぽんすけはハイハイ。
現在は歩けるようになり、おぼつかない足取りでフラフラします。
他の子のにぶつかったりして迷惑にならないか心配ですし、
やはり居場所としては違和感が出てきました。
しかしながら本人は、音楽療法や理学療法などの活動を楽しんでいる様子。
もうしばらく、みんなが良いと言ってくれれば
参加していたいと思っています。
【2】受け入れてくれる短期入所施設が無い
医療機関の重症心身障害児のための短期入所は、
少しでも動けるようになると受け入れてもらえないことがほとんどです。
↑この記事を書いた後に短期入所施設を探しましたが、
コロナで受け入れ制限があることも影響し、現在、受給者証を使用して利用できる
短期入所先を見つけることができていません。
横浜市独自で行っている、地域活動ホームのショートステイは利用可能ですが
基本的に一泊のみです。
【3】同じような子になかなか出会えず不安
最後に書きましたが、これが一番の困りごとでした。
なにせ、周りに同じような障害の子がいないのです。
世間が想像する障害児のイメージの子たちはたくさん出会えるのですが
(もちろんその中でも同じ子はおらず様々でしたが)
長男のように動ける重心児は、本当にいません!
現在は奇跡的に何人かの先輩たちを見つけることができ、
わからないことはすぐに聞ける状況ではあります。
しかしながら少数派であることに変わりはありませんし、
ここだという居場所が見つかったわけではありません。
まとめ
動ける重症心身障害児について
ぽんすけが小さな頃から悩んでいたことを書かせて頂きました。
長男は歩けるようになったものの、まだおぼつかない足取り。
階段の昇り降りは一人ではできませんし、外出には車椅子が必要です。
まだまだ、知的障害だけというくくりの中には入ることができません。
そしてそのうち、行政上の重症心身障害児というくくりからも
外れてしまうのかもしれません。
この先重心から外れてしまうと、使える制度が減り
益々行き場がなくなるのではないかと今から不安に感じています。
ー2023年6月に加筆しましたー
この記事を書いた時、ぽんすけは、行政上の重症心身障害児という枠から既に外れていたことが判明しました。
5ヶ月後の2023年2月、区役所のミスで、重症心身障害児の認定を外し忘れていたという連絡が・・・
このことで、通っていた重症心身障害児のための放課後等デイサービスに
1ヶ月半後の4月から突然通えなくなることになりました。
この時に書いていた不安が突然現実のものとなってしまったんです。
行き場が突然無くなることになり、困った、というだけでは済まされない程の労力を要し、
精神的なダメージがありました。
重症心身障害児の規定は、療育障害がA1、A2、かつ身体障害者手帳が1級、2級とのことです。
動ける重症心身障害児の行き場について、誰か教えて欲しい、
そしてみんな集まれー!という気持ちでこの記事を書いてみました。
同じような状況の方がいらしたら、ぜひコメントやメッセージを頂けたら嬉しいです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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